沼にハマってきいてみた(沼ハマ)リアルな世界のジオラマ沼!作り方も

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本日のMCは松井愛莉ちゃんとサバンナ高橋さん。

 

ジオラマ(Diorama)=情景模型というのですね。

 

メカが活躍するSFや、ノスタルジックな昭和レトロな風景、戦場の様子を表すミリタリー系など、細密に作り上げられた小さな世界に、誰もが見入ってしまうのです。

 

登場するハマったさんたちは、共立女子中学高等学校・地理歴史部のかおさん、あかねさん。そして東京都立大崎高等学校のペーパージオラマ部のこうきさん、OBのまさゆきさん

 

ゲストはハライチの岩井勇気さんです!

 

 

10代がハマる!小さな世界

 

岩井さん曰く、子供の頃に見たジオラマの世界「大人の遊び」というイメージだった、とのこと。それを受けて高橋さんが「お金持ちの人がやるみたいなイメージあるよね」とコメント。

 

「(ドラえもんの)スネ夫がでっかいクイーンエリザベス号のジオラマ作ってた、みたいな!」

 

…そんな贅沢な趣味のイメージ???

 

最初に紹介されたのが、まさゆきさんの個人作品「田園風景の中の駅」です。

 

畑の中の駅と線路、そして電車の情景が見事に表現されていますが、市販のものは電車のみで、それ以外の駅舎や畑はケント紙や段ボールを使って作られているのです。

 

共立女子・地理歴史部の作品は「落穂」

 

山梨の田舎町をモデルにして、緻密な村の情景の中にバイクに乗った人や店先のおばちゃんなどを配し、ススキの穂にはつけまつげを利用するなど、細かい工夫がされています。

 

「きゃりーぱみゅぱみゅもビックリするやろなぁ…」と高橋さんも驚く丹念なお仕事でした。

 

因縁のライバル?!

 

そんな彼らが目指す第六回ハイスクール国際ジオラマグランプリが静岡県浜松市で開催されました。

 

毎年3月に開催されるこの大会は、全国の高校ジオラマ部・同好会が集結し、書類審査を通過した20作品が展示されるのです。

 

そんな中でも異彩を放っていたのが攻玉社中学校・高等学校のガンダム研究会が出品した「水上基地リグ」というガンダムの作中の戦闘シーンの再現ジオラマでした。

 

流れるBGMもガンダムの「サンダーボルト」を使うという凝りようです。

 

会場の中で話題になっていたのが、城北埼玉中学・高等学校の模型部が制作した「ジュラシックワールド」。

 

超有名恐竜映画のワンシーンを切り取った力作でした。巨大プールで飼育されている恐竜の迫力ある姿や、泡立つ水面の質感までが工夫して再現されています。

 

裏側にあった、水族館の水槽のような部分までが再現されており、どこから見ても楽しめるという作品に仕上がっていたのです。

 

5人のメンバーが協力して作ったこの作品ですが「ジオラマ制作は団体戦なのがいいと思う」とジオラマ愛を語っていました。

 

まさにジオラマの“甲子園”ですね。

 

そしてスタジオにいる二組も互いを「因縁のライバル」として認定しているという関係性だったのです。

 

地理歴史部:    2017年 3位

          2018年 1位

ペーパージオラマ部:2017年 2位

          2018年 3位

 

互いに強豪校同士で意識しまくっていたという二組でしたが。昨年は地理歴史部がグランプリを獲得したのでした。

 

 

地理歴史部の制作現場に密着!

 

共立女子・地理歴史部が2018年に第五回ハイスクール国際ジオラマグランプリを獲得した作品のタイトルは「浮島」

 

10名の部員が地域の歴史や、人々の暮らしを学ぶことをテーマにした地理歴史部は、実際に調査・取材した地域の情報をもとにジオラマを作っています。

 

「建物の構造・地形・植生を自分で見て学べるのが楽しい」

 

というその活動で、今回のモデルに選ばれたのが千葉県の佐原です。江戸時代に水運で栄えた街並みがそのまま残されている情緒ある土地です。

 

今回のテーマは、現代の風景を参考にして、江戸時代の街並みを再現することをでした。特に注目したのが風情ある川べり。

 

大会の4か月前に佐原を訪れたメンバーたちは長屋や土蔵などモデルになる街と川の様子を見て制作プランを練っていたのです。

 

精密な設計図を作り、川と長屋、土蔵を配置

 

その中に生活している人を置くことでより一層細やかな情景が再現できるようになるのです。それを、大会ルールに即して「縦・横・高さ」の一辺が50㎝以下のサイズで作るのです。

 

まず大活躍するのが「共立の大工」と呼ばれるあやさん

 

二階建ての長屋をプラバン・プラ棒を駆使して精密に立体化し、エアブラシで塗料を吹き付けてベースが出来上がったら、塗装・汚し担当ゆきのさんの作業が待っています。

 

均一な塗装面に粉末の塗料をつけて風合いを出し、さらに屋根瓦などを付けて…と、一つ作るのに15時間もかかるという細かい作業なのです。

 

そうしてベースとなる部分を作っている間に、「共立の小物職人」こと部長のあやさんが小さな千代紙をくしゃくしゃにして、小さな型紙を当てながら繊細なハサミ遣いで切り取っていくという作業を進めていました。

 

ピンセットで成形したそれは、なんとミニチュアの着物!長屋のひとつ、呉服屋の店内の装飾だったのです。

 

その奥には棚と、畳んだ着物の数々、そして店先には座る番頭さんがいるという本格派でした。

 

「作り終わった時に、自分がこの場にいたら、と考えるのが楽しい」

 

かおさんとなこさん作る小物たちは、さすがのクオリティでした。

 

手作りか?市販品素材か?!

 

しかし、問題が発生しました。数ある建物の屋根の素材が、市販だったり、手作りだったり…風合いの感じが今一つマッチしなかったのです。

 

手作りの屋根は、担当のもえさんが一枚に8時間かけて制作した樹脂粘土製。その丁寧な仕事ぶりには大きな信頼が寄せられていましたが。

 

建物の合計は7個。残りを揃えるとなるとあと48時間の作業が必要となり、決断が迫られた部長のかおさんは、全てを既製品に統一することに決めたのです。

 

もえさん「泣きそう…というか、泣くんだけど…」と涙を見せましたが。

 

気持ちを落ち着かせて、再度頑張って市販品で屋根を作り上げ、その作品を観て「馴染んでいて、いいと思います」と言っていました。

 

手作りした挑戦は、無駄になっていないと思う、というもえさんの笑顔はとても素敵でした。

 

いよいよ大切なポイントに取り掛かるのは、水担当のスペシャリストゆきのさんとはんなさんです。作品のかなめとなる、佐原の水の色を再現するための試行錯誤が始まっていました。

 

プラスチックのカップで繰り返された実験では、まず川底の色を決めてから、その上に乾くと固まるジェル状の水の素材を流し入れて色の様子を確かめていくのです。

 

乾いたところに、川の中の藻の素材を入れてみたり、水面の揺らぎを表現してみたり。その実験的な作業の集大成として、今回制作された佐原の風景「原点~家康の思い~」がスタジオに登場しました

 

「水のスペシャリストの二人、めちゃめちゃ良い“水感”出してるなぁ」

 

高橋さんが絶賛する水面には、うっすら紅葉が散り、その水の緑と素敵なコントラストが演出されています。

 

水の中には藻があり、水の表情を出すために、川岸から落ちた紅葉の葉が流れる様子を再現しているのです。

 

取り出した小型カメラでお店の中を覗いてみると、本屋さんの店先で本や浮世絵が売られている様子が再現されています。

 

「見えへんのに、なんで作るの?」という高橋さんに、かおさんは「作品にリアリティや生活感が出るから」…その“気持ち”が出る、というのです。

 

江戸時代の人々の暮らしを見事に再現したこの作品には、実は方角や日時までが詳細に設定されているのだそうです。

 

「この風景は午前10時の設定で、南側から日が当たるコケは茶色くなるのと、当たっていない裏側は緑になっています」

 

と川べりの石垣の様子まで細かく作り込むその技と知識に高橋さんも愛莉ちゃんも驚きの声をあげていました。

 

「歴史もののジオラマを作る楽しさって、どんなところですか?」という高橋さん。

「授業では習わない、着物の素材の歴史とかを、自分たちで学べるところが楽しい」とかおさん。

 

あかねさんは「もともと歴史に興味がなくて、ジオラマ目的で入った人たちもいて、でもジオラマを通して歴史を面白く学べるようになるのが楽しい」とのことでした。

 

 

簡単!誰でもできるジオラマの作り方!

 

地理歴史部のあかねさんが木の作り方をレクチャーしてくれました。素材は緑に着色したスポンジと、造花用の茶色いワイヤー、そして接着剤。

 

「木は、一年生が部活に入って初めて作るモチーフなんです」それを聞いた高橋さんが「負けられねぇなぁ」と意気込みを表しました。

 

1、6㎝に切ったワイヤーを12~16本束にしてテープで巻く

2、根元からねじって幹を作る

3、二つに分けて、少しねじり、さらに二つに分けて、ねじる、と言う作業を繰り返します。

4、木の枝っぽくなったら、外側からぐるりと一周、スポンジの葉っぱを付けて、その上に積み重ねて接着していくと、木らしくなっていきます。

5、ジオラマ用の土台に穴を開けて差し込み、並べると、急に個性が出てきます。

 

愛莉ちゃん、高橋さん、そして岩井さんらしい家と木の情景が出来上がりました。「都内にこんな家建てられたら大金持ち!」

 

小さな世界に空想を詰め込むのがジオラマの魅力なのです!

 

ペーパージオラマ部の製作現場に密着!

 

品川区にある東京都立大崎高等学校では、総勢16名ペーパージオラマ部が活動しています。披露してくれたのが昨年の鉄道ジオラマコンテスト大賞「南アルプス秘境路線八景」です。

 

大迫力の山の中にかかる鉄橋を制作したのがこうきくん。

 

「なんでこんなに忠実に再現できるの?」

「紙だとは思えない…!」

 

全て紙で作られているという、そのリアルな細工を見て、そんな言葉をもらえるのがとても嬉しい、というこうきくん。

 

今回の大会で製作を目指したのが銀座にあった教文館・聖書館ビル(1933年~)でした。

 

その一階にあった、今はなき伝説の店「ブラジルコーヒー宣伝販売本部(1934~1940年)」を再現しようというのです。

 

その店は、当時まだ珍しかったコーヒーを日本に広めようという場所でした。

 

以前、先輩がそのビルの外観をメインに制作した作品があったのですが、一階部分のコーヒーのショールームの資料がなく、その部分が作れなかったという残念な記憶があったのです。

 

しかし、昨年、その当時の店内が描かれた絵と写真が発見されたのです。大きな壁画は当時の人気画家レオナール藤田の筆によるものでした。

 

そこで、ブラジル大使館やビルの管理会社から設計図や絵画の資料をお借りして制作に入ったというのです。

 

 

緻密な作品の裏側には精密な設計図が!

 

大崎の“設計士”こと、こうきくんはパソコンを駆使してリアルな建物の設計図からジオラマ用に縮小し、

 

さらに製図用ソフトを駆使して展開図を作り、厚さ0.3mmのケント紙にプリントして、造形物を制作していきます。

 

パソコンで作られているので、水平垂直に狂いがなく、組み立てるときれいな立体物に仕上がるのです。

 

さらに、当時卒業前だったまさゆきさんが大崎の“切り抜き職人”としての腕を大いに発揮していました。

 

ミリ単位のパーツの切り抜きを丹念に繰り返し、貼り合わせていくことで、まるで紙であることを忘れてしまいそうな外壁の装飾バーツが出来上がるのです。

 

さて、今回のもっとも重要な資料は、一組のカラー写真のみなのですが。店内の家具などはそこから想像して再現していくしかありません。

 

大崎の“小道具職人なえこさんはデザインを忠実に表現し、金属や樹脂粘土などの素材を探しながら素晴らしいインテリアを再現していきました。

 

「絵と比較した時に、あ、ちょっと違うんじゃない?って思われたくない」という探求心の強さはそのままクオリティに直結しています。

 

さらなる難関は、店内の壁画でした。

 

コーヒー文化に親しんでもらえるようにと、地球儀でブラジルの場所を指し示すなど、当時のブラジルの生活の様子などが丹念に描かれていたその大きな絵。

 

作者はレオナール藤田(藤田嗣治)。有名な作品を数多く残している人気画家でした。その作品の精密な縮小版を作ることを担ったのが大崎の“美術職人あやかさん

 

資料を基に模写し、自分の手で描き上げていくというのです。そんな地道な努力を重ねて、作品は少しずつ形を見せてくれていました。

 

当時の“本物”を探る

 

この教文館のビルを設計したのはチェコ出身のアントニン・レーモンドという設計士でした。

 

その弟子三浦敏伸さんがご存命で、当時の詳しいお話を伺えるということで尋ねたペーパージオラマ部の面々。

 

情報がなかった当時の店内の床のことを質問するとすぐに答えが返ってきました。

 

「これ、床にしんちゅうの目地が入っているよね。当時、我々はテラゾーと言ってたの」

 

テラゾーとは、格子状のしんちゅうの枠に、小石の柄が特徴の仕上げ方でした。それが判ったら、さっそく製作開始!その成果はスタジオで…。

 

 

ペーパージオラマ部の完成作品!

 

「ブラジルコーヒー宣伝販売本部」というタイトルのそれは、まさに資料写真をそのまま3Dにしたような素晴らしい出来栄えでした。

 

床の感じ、そして壁の絵を描いたあやかさんのセンスが絶賛されていました。こうきさん曰く「天才です!」とのこと。

 

店の奥にしつらえられたカウンターの周りのコーヒーの缶や、ギフトボックスなども全て丁寧に再現されており、その全ての調和がとれた美しい作品となっていました。

 

まさゆきさんが作った外壁のレリーフも、紙を7枚重ねて立体感を出したという力作です。そのサイズ感も陰影の出方も見事な再現でした。

 

「ジオラマを通して歴史を知れる」

「写真とかでよく見る風景を手元に再現できるのがジオラマの良いところ」

 

だそうです。地理歴史部のかおさんいわく

 

「紙でこれを全て作っているのが凄い。私たちにはない調査の仕方をしていて、実際に事務所に行ったのが凄い」

とのこと。

 

この二校の評価はどうだったのか?!ハイスクール国際ジオラマグランプリの会場に戻ってみましょう。

 

 

 

 

ライバル校の戦い!大会の結末は?

 

3月の大会では、20校の作品が審査されました。制作技術だけでなく、アイデアも大切なのです。

 

審査員には、山田卓司さん(情景作家)、リョータさん(プロモデラー)、坂本憲二さん(ジオラマ作家)らプロ三名と、一般の観客が投票してその評価を行います。

 

会場ではさまざまな学校の生徒たちが自分の作品をアピールすることもできるのです。

 

繊細に再現したポイントを説明したり、プロならではの厳しい言葉に衝撃を受けたり…しかし、こうき君たちの作品には「作ろうと思ったこと自体が凄い」と嬉しい言葉もあり。

 

そんな悲喜こもごものプレゼンテーションを経て、投票が始まりました。ガンダムの戦闘シーンあり、温泉地の情景あり…様々なアイデアと技術が集結したこの戦いでしたが。

 

作品に込めた思いや拘りが、どう評価されるのかは祈るのみ。

 

3位ベストプレゼン賞に選ばれたのが共立女子高等学校。微妙に残念そうな、悔し気な表情が浮かんだのが解ります。

 

2位城北埼玉中学・高等学校。ジュラシックワールドの見事なプールを再現した作品でした。

 

そして、グランプリ大崎高等学校でした!創部以来初めての優勝!審査員三人が全員一致という快挙でした。

 

山田卓司さんからは「歴史の中でなくなっていったものを再現しようという思いからスタートして、資料がない中を苦心して形にしていくところが良いと思った」という凄いコメントを頂きました。

 

両校とも、この結果を当然知っていながら、スタジオでビデオを見ていたのです。改めて喜びを炸裂させた大崎高校のこうきくん。

 

そして悔しさをにじませたかおさんとあかねさんは、表彰式の動画を見て「顔が死んでました…」と正直に口にしました。

 

高橋さんは両校のクオリティを褒めたたえ、共立女子の二人には「来年、後輩にはリベンジしてほしいね!」と伝えたのです。

 

こうきくんには「後輩に連覇してほしい?」と聞くと即答で「ハイ!」と答えたのですが。そこにかぶさるようにかおさんの「イヤ!」という闘志に満ちた声が。

 

次の戦いはもう始まっているようですね。

 

「来年の大会の戦いも見たくなる!」

 

よくぞ“優勝した”とか“三位だった”とかばらさずにVTR最後までやってくれたなぁ!君たちはプロだよ!___高橋さんに褒められて、全員が笑ってノーサイドとなったスタジオでした。