2021年8月15日で日本は終戦から76年が経ちました。年々、戦争関連番組が減ってきているように感じてなりませんが、今年は特に東京オリンピックの影響もあり
「戦争」に向き合う時間が短かったように思います。戦争を後世に伝える作品は多くありますが、そのなかでも誰もが知っているのが『はだしのゲン』ではないでしょうか。
今回は『はだしのゲン』の主人公・ゲンの妹・友子について調べていきたいと思います。
目次
【はだしのゲン】妹の友子(ともこ)は作者の妹で実話?
元は5人兄弟として生まれていますが、戦火のなか母と元が生き残り、そのさなか妹が誕生しています。
妹の友子というキャラクター
『はだしのゲン』の作者は中沢啓治さんという方で、『はだしのゲン』の主人公である中岡元のモデルになった方です。
ゲンの家族構成は
- 父・大吉
- 母・君江
- 長男・浩二
- 長女・英子
- 次男・昭
- 三男・元
- 四男・進次
- 次女・友子
となっています。友子は中岡家の末っ子として、原爆が投下されまもなく誕生しました。「友達がたくさんできるように」という願いを込めて、ゲンが友子と名付けました。
原爆が投下され地獄のような環境の中、生き残った君江とゲンと友子の三人で広島をさまよい歩きます。
極度の疲労と栄養不足で君江は母乳が出なくなってしまいますが、母乳の出る産後の女性に乳を分けてもらったりしながら友子もなんとか必死に生きながらえます。
そういや学生時代も図書館行って鉛筆すら持たずに本読んでたわ。はだしのゲン。
— ゲーム実況 くづをさん@関西弁 (@gamekzwsan) September 2, 2021
小学校の図書館に必ず置かれていた児童向けとしても読まれる『はだしのゲン』ですが、壮絶な内容に幼いながらトラウマになってしまう子もいますよね。
76年前に現実に起こった出来事だと思うと、胸が締め付けられ途方もない気持ちになってしまいます。
作者の妹で実話?
ゲンのモデルとなったのは作者でもある中沢啓治さんですが、友子にもモデルとなった人物がいたのでしょうか?
調べたところ、友子のモデルも中沢さんの実の妹であったそうです。名前も友子と同じ読みの「朋子さん」でした。
作中で友子は原爆投下から約一年後に亡くなってしまいます。実在された友子さんは、実際には月齢にして4ヵ月のときに亡くなられています。
赤ん坊の命まで容易に奪ってしまう戦争という現実に、言葉が出ません。
※中沢啓治さんの自伝漫画『おれは見た』では「友子」と表記されています。(はだしのゲンの連載が始まる前に、中沢さんが出版社に応募した作品です)
死因は何か?ネットの反応は?
戦時中という過酷な状況で生まれた「友子」の死因についてみていきます。
友子の死因は何
作中で友子は、原爆投下から約一年後に「原爆症」と「栄養失調」により亡くなってしまいます。
原爆が投下された直後に生まれ、新生児期から乳児期を放射線が降り注ぐ過酷な環境で生きたことで「原爆症」に冒されてしまいます。
満足に食べることのできないなかで君江の母乳が出ないのは勿論のこと、現代なら当たり前にあるはずの粉ミルクなんてあるはずもなく、
原爆症と併発して栄養失調にも陥ってしまいます。 実在された友子さんは生後4ヵ月のときに「栄養失調」で亡くなってしまっています。
ネットの反応は?
それでは『はだしのゲン』を見た方の、ゲンの妹・友子ちゃんに関するSNSの反応を見ていきたいと思います。
はだしのゲンのいいところは、友子の存在がみんなの生きる希望になっているところだと思う。子供の存在は大きいよな。新しい時代をつくるのは老人ではないと思うわけよ。
— おりゅう🏝♨️ (@Ryusei_Rain) August 6, 2020
はだしのゲンで子供を喪った近所のママさんがお腹を空かせた友子に乳をあげるシーンは涙なしでは見れない
— 🌙G★SPOT P⭐ (@g_spotp) August 15, 2020
はだしのゲンって作品が大好きすぎて3億回くらい読んだんですけど、友子が死んじゃうシーンとお母さんが死んじゃうシーンだけは何度見ても泣けます。
— 雅(まさ)™️ (@uru_kame) March 27, 2019
原爆投下のせいで一変して地獄と化した町に、友子の生命力に満ちた産声が響き渡るシーンは、いろいろな感情が折り混ざり涙がにじんでしまいます。
悲惨なシーンが多い中で、友子が生まれた場面は『はだしのゲン』のなかで「生きる」ことを強く感じさせてくれます。
自分の子どもを失い、母乳をあげることができなくなってしまったお母さんが、友子にお乳をあげる場面も印象的です。
友子の生涯はかなり短いと思われてしまいますが、戦火の混乱のなかでも多くの人から愛情を分けてもらい成長していたということが伺えます。
ゲンにとって唯一生き残った家族であった、母親の君江と妹の友子が亡くなってしまうのは、見ているこちら側の心にもズシンと重くのしかかりました。
幼い妹が自分より先に亡くなってしまうのはあまりにもツラすぎます。『はだしのゲン』という、あまりにも救いのない毎日を描いた作品の中で、
友子という存在に救われた読者も多いと思いますが、それと同時に友子が亡くなってしまう結末に打ちひしがれた方も同じだけいると思います。
生きていれば76歳だった友子のことを思うと、私たちもこの何気ない日々を大切に生きていかなければならないなと、改めて考えさせられますね。
まとめ
・友子のモデルは中沢さんの妹「朋子」
・友子の死因は原爆症と栄養失調
・友子は1歳までいきましたが、現実の朋子は4カ月で栄養失調による死を迎えています。
・SNSでの反応は、悲惨すぎる現実の中に一筋の光となる「友子」、しかし、その希望も戦争という現実に奪われてしまう悲しみがあふれている。
今回は『はだしのゲン』の主人公・ゲンの妹である友子について、モデルになった人物や死因などを調べさせていただきました。
年々戦争経験者の方が少なくなる一方で、不屈の名作として知られる『はだしのゲン』は学校や町の図書館に必ず置かれていると思います。
残酷な描写も多い図書ですが、76年前に広島で起こったことを知るためにも、大人になった筆者も
今一度『はだしのゲン』を手に取って見たいと思いました。それでは、ここまで見ていただきありがとうございました!