2011年3月11日15:27。
東日本大震災で予想を超える津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は発電機が浸水し、原子炉を制御できないという事態に陥っていました。
誰もが知る、大きな悲劇の前触れです。
しかし、そこでギリギリ踏みとどまり、水素爆発で瓦礫が降り、放射線量が刻々と増える中で被害を最小限に食い止めようと奮闘していたプラントエンジニアたちがいました。
これは、若松節朗監督が制作した“エンタメ”作品です。
ドキュメンタリーではありませんが、だからこそ、鬼気迫る迫力を持って、当時の様子を後世に残せるコンテンツに仕上がりました。
是非、一度観て下さい。あの日、闇の中で彼らが如何に闘っていたかを、一人でも多くの人に知っていただきたいです。
目次
【Fukushima50】キャストやあらすじは?
東日本大震災が起きたあの日。
東都電力福島第一原子力発電所では続々とエンジニアたちが集まってきました。
海から奥まった場所にある免震棟の緊急時対策室では所長の吉田(渡辺謙)が、そして1・2号機の中央制御室では当直長の伊崎(佐藤浩市)が原子炉の緊急停止のために訓練通りのプロセスを実行すべく指示を飛ばしていました。
しかし、彼らの予想を超える事態が起きたのです。
想定していたよりはるかに高い大津波が、太平洋沿岸一帯を襲い、防波堤を超えて浸水した福島第一原子力発電所は原子炉建屋の電源を喪失、ステーションブラックアウトに陥ってしまったのです。
原子炉を冷却するためには水を循環させ、温度を厳密に管理しなければなりません。
内部で燃料が溶けて格納容器を突き破れば、チャイナシンドロームが起こってしまうのです。
即座に、周囲二キロ圏内の住人に避難指示が出され、理由も教えられないままに住み慣れた場所を離れることになり、次第にその輪は広がっていったのです。
そこは、今なお帰還困難区域となっています。
大地震、津波による被害に打ちのめされていた日本は、放射能漏れという未曽有の事態に直面していました。
混乱する日本政府、東都電力本社、そして自衛隊や在日米軍が、持てる総力をすべて注ぎ込み、事態の鎮圧と国民の保護にむけて奔走していった…これはその数日の激闘の記録です。
【Fukushima50】ロケ地や撮影場所はどこ?
撮影協力:
富岡町 双葉町 大熊町 川内村
諏訪圏フィルムコミッション
境町フィルムコミッション
いばらきフィルムコミッション
つくばフィルムコミッション
古河フィルムコミッション
__等、関東甲信越の数多くの自治体が本作に協力しています。
諏訪市・旧東洋バルヴ工場
【津波津波被災後の福島原発】
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り5丁目11−1135
広大な工場跡(建屋と敷地)をイベントや映像作品のロケに活用しています。
福島原発の事故当時の破損した建物や瓦礫の散乱した状態を細部にまでこだわり、緻密に再現しています。
2018年11月25日。映画『#Fukushima50』(#フクシマフィフティ)の撮影が長野県の上諏訪にてスタート。1・2号機サービス建屋の屋外シーンのため、オープンセットを建設しました。#佐藤浩市 #渡辺謙 #吉岡秀隆 #安田成美 pic.twitter.com/46sY4mEEjb
— 映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ) (@Fukushima50JP) November 24, 2019
現地で映像制作支援を多く手掛ける今井建設株式会社がセットを作りました。
現在では大河ドラマ「麒麟がくる」も手掛けているようですね。
映画『#Fukushima50』公開記念!
ロケ隊をバックアップした富士見町・ #今井建設㈱ 社内ロビーにて、諏訪市に建設した撮影用オープンセットができていく様子や撮影風景をコメント付き写真資料を特別展示中!※~3/31まで(平日8:30~17:00)今井建設㈱
長野県諏訪郡富士見町落合2373
0266-64-2501 pic.twitter.com/tPiADjmllB— 諏訪圏フィルムコミッション (@suwakenfc) March 5, 2020
クリーンレイク諏訪
【津波津波被災後の福島原発】
〒392-0016 長野県諏訪市大字豊田 湖畔1866−1
いずみ湖グラウンド
【臨時ヘリポート】
〒393-0000 長野県諏訪郡下諏訪町木の下
電源喪失して真っ暗な夜間に、臨時ヘリポートとして、動かせる車のヘッドライトで明るく照らして誘導を試みた場所です。
船橋市高瀬下水処理場
【原発施設内】
〒273-0014 千葉県船橋市高瀬町56
中央制御室から原子炉までの通路です。何度も防護服を着た職員たちが駆け抜けていた緊迫したシーンでした。
横田基地
【トモダチ作戦を遂行した在日米軍】
〒197-8503 東京都福生市大字福生2552
本作ではダニエル・カールさんがトモダチ作戦を遂行する在日米軍の将校・ジョニーを演じていました。
史上初めて、在日米軍とその基地が映画撮影に協力したのだそうです。
ジョニーは父親が福島第一原子力発電所の一号機の建設に携わったゼネラルエレクトリックのエンジニアだった、という設定で、子供時代に福島県の双葉町で暮らしたことがある、と語っていました。
角川大映スタジオ
【中央制御室・緊急時対策室】
〒182-0025 東京都調布市多摩川6丁目1−1
本作で最も長い時間使われていた筈の中央制御室、そして緊急時対策室のセットを組んで撮影した場所です。
いずれも、東電の関係者が驚くほどの緻密さで構築・再現されたそうです。
夜ノ森
【桜並木】
震災以来、帰還困難区域でしたが、2020年3月10日には解除の見込みです。エンディングには見事な桜並木が映りました。
陸上自衛隊スーパーピューマ
おまけですが、こちらのヘリ見覚えが!?
【要人輸送ヘリ】
首相を官邸から福島第一原発まで輸送した陸上自衛隊のヘリコプター。ちなみに、「シン・ゴジラ」にも登場しています。
今回は政府関係者の横槍とかで、エンドロールに防衛省・陸上自衛隊・陸上幕僚監部広報室などのテロップはありませんでしたが。
現場で働いていた隊員の姿や、このスーパーピューマの雄姿は印象的でした。