2020年6月7日(日)にショッキングなニュースが報道されました。
兵庫県宝塚市の住宅で親族4人がボウガンで撃たれ死傷したというのです。おそらくニュースを見た多くの人が恐怖に震えたことでしょう。
ニュースを見て思ったことがあります。それは、ボウガンとは一体なんなのかということです。
この事件を受け菅官房長官は今後、必要に応じてボウガンの規制について検討していくとコメントを出しましたが、
そもそもこれまでボウガンの所持に許可は必要なかったのでしょうか。そこで今回はボウガンがどのようなものであるのか、取扱いについて紹介していきます。
ボウガンとは?
ボウガンとは矢や弾を打ち出し遠距離攻撃するための武器を意味する和製英語です。
元々西洋で用いられた弓の一種となります。(英単語ではクロスボウ(crossbow)が正しい)
西洋では主に狩猟の際に使用され、11世紀頃からは戦争でも使われるようになったと言います。
クロスボウが誕生するまで使用されてきた弓は他の武器と比べ射程が長く強力であったが扱いが難しく弓術の訓練を受けた弓兵や狩猟のために使用する猟師以外は扱うことが難しかったそうです。
簡単に真似することができないことから、軍事的に大きな優位になっていたのだとか。
こうした弱点を克服するために作られたのがクロスボウ!
台座に弓を取り付け固定、あらかじめ弦を引いたものをセットしたものに矢を設置し引き金を引くことで矢を発射することができるようにしました。
クロスボウの誕生により、訓練を受けずとも弓兵として戦場で戦うことが可能となったのです。
和製英語であるボウガンは、株式会社ボウガンの商標名でした。そのためニュースや新聞で取り扱われるときは”洋弓銃”という呼称が使われていたと言います。
しかし近年では商標登録をしておらず。そのため今回のボウガンでの殺傷事件もそうですが”ボウガン”という呼称がニュースでも新聞でも使用されています。
ボウガンは何のために使うの?使用目的は?
兵庫県宝塚市で、ボウガンを使用した死傷事件が発生しました。
犯人は伯母をボウガンで撃って殺害しようとしました。幸い伯母はすぐに近所の家に逃げ込み無事でしたが、祖母、母親、弟は頭部を撃たれ死傷。
頭部を2箇所撃たれた弟は出血性ショックで死亡。そして祖母と母親は外傷性くも膜下出血により死亡したと報道されています。
人を死に至らせるボウガン、そもそもの使用目的はなんなのでしょう。
調べてみましたが、どうやらボウガンはスポーツで使用されることが多いと言います。ボウガンを使用し的に矢を当てるというシンプルなスポーツです。
西洋では狩猟のために使用されることもあると言いますが、日本では認められていません。
ボウガンの所持の許可は必要なの?銃刀法違反には?
ボウガンをスポーツとして使用する場合、全日本クロスボウ協会で登録を行う必要があります。
登録をしたら会員証が発行されるので、ボウガンを持ち運ぶ際、また使用する際は協会がスポーツとしてボウガンを使用することを証明している証である会員証を携帯しなければなりません。
このような決まりがあるため所持には許可が必要であると多くの人が思うのではないでしょうか。
しかし実は、ボウガンは誰でも購入することができます。インターネットサイトで購入可能で、立派なものでも数万円で購入することができると言うのです。
中には年齢制限を設け未成年が購入できないようにしているサイトもあります。
ですがネットで簡単に購入可能であれば年齢制限なんてあってないようなものですよね…。
兵庫県宝塚市で発生した事件を受け、菅官房長官は今後必要に応じてボウガンの規制を検討すると会見で発表しています。
実はボウガンによる死傷事件は今回だけでなく、過去にもありました。今後また起きる可能性だって0ではありません。
そのため、一刻も早く取扱いを厳しくするべきだと思います!ですが、ボウガンの取り扱いを規制できないのには、ある理由があると言います。
それは先ほども紹介しましたがボウガンを使用したスポーツがあること。
そして同じように弓と矢を使用するアーチェリーも規制の対象となる可能性があるため、すぐに規制することはできないのだとか。
今回の事件を受け、兵庫県では条例でボウガンを有害玩具に指定しました。18歳以下へのボウガンの販売は使用、違反した場合30万円以下の罰金の対象になるとのこと。
もっと厳しい条例にしてもいいのではと個人的には思いますが、他の都道府県ではそもそも条例がないため、各都道府県ではなく国がこのような決まりを制定するべきではないのかと思います。
銃刀法違反とは
「ボウガンの所持は銃刀法違反ではないのか」という声がありました。銃刀法違反とは人々に危険を与える可能性である銃、刀の所持を禁止するというものです。
ちなみに銃刀法違反に該当する刀は以下の通りです。
・刃が15センチ以上の日本刀
・やり
・なぎなた
・刃が5.5センチ以上ある剣
・あいくち
・飛び出しナイフ
そして今回注目しているボウガンですが、銃刀法違反に該当しません。今回の事件をきっかけに、今一度銃刀法違反は見直すべきではないかと思います。