高齢化社会に向けて、架空の日本が打ち出した「プラン75」計画。75歳以上であればだれでも申し込むことができ、
ガスにより楽に安楽死できる。さらに生前に何にでも使用できる「10万円」がもらえるというプランでした。
78歳になりパートをクビになってしまった女性と、市役所で働く男性の20年ぶりに会う叔父、2人のプランの行く末は!?
目次
映画【PLAN75】原作本はあるの?原作者は誰?
カンヌ国際映画祭受賞作品《PLAN75》鑑賞。簡潔に言うと日本人は75歳になると国から安楽死を推奨され役所から『死にますか?まだ生きますか?』と選択を迫られる話。選択しなければならない高齢者とプラン75を奨めなければならない職員両方が主役。公園で老人が寝れない様にする為に淡々とベンチに pic.twitter.com/hoaSCjW63Y
— tearra. (@tearra58) February 18, 2023
では原作などから見ていきましょう。
映画【PLAN75】原作本はあるの?
この映画に「原作本」は存在しません。監督の早川千絵さんが「脚本」を書き上げて制作されています。
しかし、Twitterに気になる書き込みがありました。「デスハラ」という書き込みですが、数字が付いています。
「〇〇ハラスメント」受ける側が嫌な気持ちになることを言いますが、「デスハラ」とは英語の「DETH=死ぬ」を意味しており
この言葉の出所を探ると、「おばあちゃんいつ死ぬの?」という作品にたどり着きます。
作者は吉田より(@yohakuyori)さんで、ネットでアップされている漫画のようです。「安楽死」が認められるようになった日本で
「老化」や「病気」ならば本人の希望で「安楽死」を選ぶことができるので、茶飲み友達でさえ、気軽に
「いつ死ぬの?」という会話が繰り広げられるような世界になっています。
原作者は誰?
直接的にこの漫画が映画に影響しているとは言えません。映画監督の早川さんは社会問題などを元に
自身で脚本、監督までをこなす方です。一方で「おばあちゃんいつ死ぬの?」は吉田よりさんです。
気軽に漫画をTwitterに投稿している方のようで、2019年6月からアップしているようです。こちらも日本の状況を見て
様々な「ハラスメント」が横行している世の中から、「デスハラ」という作品を生み出したのだとおもいます。
監督や脚本は?他代表作品は?
「プラン75」早川千絵
大体、高齢者の増加は若者に負担と思わせる国の政策が悪い
マスコミもこぞってそのような報道をする「プラン75」
75歳になったら死を選択すれば、10万円がもらえますよ
優しく優しく死へ誘導する爽やかな公務員
マスコミも素晴らしい制度だと報道し、高齢者をその気にさせる
→ pic.twitter.com/9yhLrliR8Y— ひぐらしおん (@cinema_to_haiku) March 23, 2023
では映画の監督について見ていきましょう
監督や脚本は?
監督、脚本は早川千絵さんです。ニューヨークの美大を卒業したのち、テレ東のニューヨーク支社でアシスタントをしていました。
帰国後は、WOWOWの映画部の業務委託を行い、30代半ばで「ENBUゼミナール」に通い
卒業制作した「ナイアガラ」が2014年のカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門に入選しました。
そのほかにも多数の賞を獲得し、オムニバス映画を製作したのちにWOWOWを退職し、
監督に専念することになりました。所属はクリエイター集団の「クジラ」に所属しています。
他代表作品は?
- ナイアガラ(2014年)
- BIRD(2016年)
- 冬のメイ(2016年)
- 十年 Ten Years Japan(2018年)
- PLAN 75(2022年)長編デビュー監督作品
受賞歴
- 2022年度
- 第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 カメラ・ドール特別表彰
- 第63回テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞
- 第44回ヨコハマ映画祭 新人監督賞
- 第77回毎日映画コンクール - 脚本賞
- 第73回芸術選奨新人賞
- 第65回ブルーリボン賞 監督賞
- 第46回日本アカデミー賞 優秀脚本賞
- 第20回シネマ夢倶楽部 推薦委員特別賞
「PLAN75」でこれだけの賞を獲得しています。そしてWOWOWを退職してから、
初の長編映画でこれだけの賞を獲得するということは、やはり国内でも「高齢化問題」が注目されている。
ということになるのでしょう。そして、やさしく「10万円もらえますよ」と役所の人は言いますが、
「死ぬんだったらあげる」という意味合いのお餞別ですよね。それもある意味日本らしいというか…。
まとめ
・「PLAN75」の原作者は監督
・「PLAN75」に原作はないが気になる漫画がある
・早川監督は30代半ばから監督をはじめた
・初の長編作品で、様々な賞を総なめにしている
この映画が話題に上るほど、やはり日本の「高齢化」は深刻なのでしょう。冒頭の「この願いが届きますように」
と、誰かが猟銃で自殺をしていましたが、このような形での実現は望んでいなかったのではないのでしょうか!?