新型コロナに世界中が振り回されている昨今、テレビドラマの制作の現場も大きく影響を受け、連ドラの撮影がストップしていた中で、
異色の“ソーシャルディスタンス・ドラマ”がフジテレビで放送されました。
NHKなどでも“リモート・ドラマ”が制作され、その新しい試みが話題になりましたが、
今回はさらに「“密”な撮影が無理」という状況を逆手にとっての一人三役＝三つ子という設定まで飛び出しました。
たった一人で奮闘するのは林遣都さん。
演技に定評のある彼が、個性的な三兄弟を一人で演じる、ある意味特撮のようなドラマが完成したのです。
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【世界は３で出来ている】キャストやあらすじは
唯一の出演者は林遣都さんです。
少年期から数々の映画・ドラマで主演を務め、近年は朝ドラ「スカーレット」でヒロインの幼馴染役を好演し、
フジテレビでは正月に放送された「教場」で訓練生・平田の屈折した心を丹念に演じていました。
そんな彼が、初めての一人三役を体当たりで演じています。
同じフレームの中に三つ子が同時に存在し、会話をする掛け合いのナチュラルさ、まるでワンカットで撮影されたかのような不思議な物語＿＿＿
マンションの一室で繰り広げられる秀逸な三人芝居のシチュエーションコメディに仕上がっています。
次男：望月勇人（ゆうと）、29歳
父親のコネで入社した商社に勤務。
長男：望月泰斗（たいと）、29歳
会計士をしている。
三男：望月三雄（みつお）、29歳
結婚して一児のパパ。茨城県で農場を経営している。
声の出演：佐藤仁美
あらすじ
パソコンの画面に向けて一人の男がまくしたてるように喋っていました。画面の中には多くの同僚の顔が。
部屋の中は段ボールが転がる引っ越し直後の様相。
意味があるのかないのかよくわからない話をガンガンしゃべり続け、最後に一言、「イエス！テレワーーーーク!!」…スーツを着た彼の足は素足です＿＿＿。
望月家には一卵性の三つ子の兄弟がいました。
同じ顔でも個性は豊かで、長男の泰斗は生真面目な会計士、次男の勇人は商社勤務、そして三男の光男は茨城県で農場を経営といった具合です。
そんな中で、次男の勇人は仕事に行き詰っていました。
父親のコネで潜り込んだ商社でしたが、子供の頃から明るい性格と勢いで切り抜けてきたものの、中堅どころとして求められるだけの実力が伴わず、人知れず悩んでいたのです。
「もう辞めちゃおうかなぁ」＿＿＿と思っていた頃に世界を襲う新型コロナ禍、そして緊急事態宣言。
ステイホーム、テレワーク、激変する仕事の状況に翻弄されていく勇人を気遣って、長男の泰斗と三男の光男がやってきたのです。
ところが、その勇人は二人の心配をよそにオンライン会議を仕切り、テレワークを満喫。
今日は、お付き合いをしていた彼女を呼んで部屋でプロポーズをしようと考えていたのです。
思いもよらなかった緊急事態の三カ月を経て、変わったこと、変わらなかったこと、これまでとは違う何かに到達しようとしている三兄弟の姿を描いています。
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【世界は３で出来ている】ロケ地や撮影現場はどこ？
本作はマンションの一室で始まり、終わる、というシチュエーションコメディでした。よって、ロケは無し。
残念ながら、撮影スタジオの情報もエンドロールにはありませんでした。しかし、そのエンドロールの撮影協力の中にある興味深い会社の名前が。
“共テレ”＝共同テレビジョンです。
この会社は昭和33年設立、多岐にわたる映像・ドラマ・映画製作で知られていますが、ことに近年はNHKの「チコちゃんに叱られる！」で驚異のCG技術が話題になっています。
チコちゃんのあの豊かな表情を見事に作り上げている緻密なCGがあってこそ、今回の一人三役のソーシャルディスタンス・ドラマがナチュラルな仕上がりになっているといえるでしょう。
一人で演じていた三兄弟が同じフレームの中でじゃれ合ったりケンカをしたり、息の合った芝居を見せてくれるという不思議な作品です。
その裏側には、こうした製作者、CGクリエーターらの見事なお仕事があるのだということをちょっと想像してみてくださいね。
