「3年A組―今から皆さんは、人質です―」の物語も第2部に差し掛かり、盛り上がってきています。
迷惑動画が世間を騒がせているのも相まって、ドラマのセリフが、より視聴者に深く刺さるとSNSでも話題になっています。
主人公である「柊一颯」の過去も徐々に明らかになってきました。
第1部では生徒たちと殴り合いをするなど壮絶な内容で話題を呼びましたが、柊のケンカの強さに生徒が驚愕するシーンがありました。
その強さの理由が柊曰く、「アクション俳優を目指していた」からだそうです。そして第2部に入り、柊が怪人役のスーツアクターを演じていたことも明かされました。
ということで今回は「スーツアクター」についてまとめました。
スーツアクターとは?
先週の3年A組で俺の中に響いた言葉
「スーツアクターなんて言うのは日本だけです。俺たちは顔は隠しても役者です。」
まさにその通りやわ! pic.twitter.com/xk0FvvC074— 中西 涼 (@MAX92242672) 2019年2月17日
そもそもスーツアクターとは何なのか、と思う方もいらっしゃると思います。
簡単に説明しますと、文字通り「着ぐるみを着用して演じる役者」です。殺陣やスタントの専門家ともいえる、アクションのスペシャリストです。
わかりやすいところでいうと、仮面ライダーやウルトラマン、戦隊ものなどの特撮系で、仮面ライダーやウルトラマン、そして怪獣などのスーツや着ぐるみなどを着用し、アクションを行う方々です。
また広義では、テーマパークの着ぐるみの中の人や、プロ野球のマスコットキャラクターなどを演じる方も含まれるでしょう。
基本的にスーツアクターの方の顔が出ることはありませんが、一部作品では素顔でゲスト出演するというケースもあります。
裏方という訳ではありませんが、なかなか注目されにくく、しかし無くてはならない存在。それが「スーツアクター」なのです。
ちなみに『スーツアクター』という言葉は和製英語だそうです。
戦隊ものなどスーツアクターになるには?
ではスーツアクターになるにはどうすれば良いのでしょうか。
一番はプロダクションに所属することです。現在ではいくつかの、スーツアクターが在籍するプロダクションがあり、そこに所属するのが王道でしょう。
もちろん養成所やスクールなどで専門的に学ぶのも重要だと思いますし、アクションであれば、劇団とかで教えているところもあります。
また本格的ではありませんが、短期バイトなどで募集している場合もあります。
しかしスーツアクターになるのは生半可なことではありません。
まず最も難しいと思われるのが、言葉や表情を使って感情を表現することが出来ないことでしょう。“怒り”や“悲しみ”を身体だけで表現するのは至難の業だと思います。
ほぼ視界も無く、熱中症と隣り合わせの状態で脚本を頭に叩き込み台詞を空で言いながらカメラに収まるようにアクションをやるだけでもめちゃくちゃ大変なのに、表情の変わらないマスクや分厚い手袋をして「芝居」も要求されるスーツアクターって凄いなんてもんじゃない。給料毎月5000万にした方がいい。
— 桐沢たえ (@kirisawatae) 2018年7月7日
仮面ライダーなどで、変身中にセリフを言うシーンがよくありますが、その時には首を大げさに振ったり動かしたりします。
そうしないと喋っているように見えないわけです。ある意味デフォルメされた演技を求められるのです。
また全身を使って表現するわけですから、体力も必要ですし、技術も必要です。身体の動きに制限のかかる衣装や、視界の悪い衣装もあります。
その中で激しいアクションや殺陣を行うのですから、かなり高い技術力が必要になります。
それらの技術を修得した方が第一線で活躍していますので、スーツアクターになるのは簡単なことではないのがわかります。
給料はいくらできついの?
さてそんなスーツアクターの懐事情ですが、あまり潤わないそうです。
スーツアクターの給料を元ヒーローに聞いた事があるんだけど、
そんなにないこと知ったからあのアクションでこれ?!って思ったからもう少し上げてもいいと思うのだが…チケットも安いしなあ…
バック転や宙返りは当たり前なんだけど、高いところから落ちたりとかワイヤーアクションでクルクル…— R(アール)2/14生誕祭 2/17なもライ (@fu_zuki) 2019年1月1日
演技の内容によって変わるようですが、だいたい1本数千円から数万円ぐらいが相場のようです。なかなかこれだけでは食べていけないので、アルバイトとかけ持ちをして生計を立てている方が多いようです。
紹介したツイートのように、仕事の危険度と報酬が割に合っていないように気もします。厳しいお仕事なんですね…。
ということで今回は「スーツアクター」についてまとめました。
少しでもスーツアクターという仕事に興味を抱くと、朝のヒーローものや仮面ライダーなどの見方も変わります。
決して注目されるわけではありませんが、スーツアクターの方々の見えない努力のおかげで、特撮ものを見ることができるのです。スーツアクターへのリスペクトを忘れず、ヒーロー達の活躍を見守りましょう。
そして「3年A組―今から皆さんは、人質です―」も、しっかり最後まで見届けましょう!